レバレッジ英語勉強法

本田直之氏プロフィール
レバレッジコンサルティング株式会社 代表取締役社長兼CEO。シティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループの経営に参画し、常務取締役としてJASDAQへの上場へと導く。日米のベンチャー企業への投資事業を行うと同時に、少ない労力で多くの成果をあげるためのレバレッジ・マネジメントのアドバイスを実施。「レバレッジ英語勉強法」などの著書は累計170万部を超え、韓国、台湾、中国で翻訳版も発売されている。

関口:英語勉強本を書いたきっかけ、想いを教えてください。

本田氏:私も25歳までは英語が話せませんでした。勉強はしたのになぜ話せないのか?と考え、やり方を見直しました。無駄なことをするのは嫌なので、有効な勉強法を考えたのです。その後、全く英語が話せない友人から、話せるようになりたいと相談を受け、自分の勉強法を教えました。すると効果が出始め、それなりに話せるようになりました。元々、英語勉強本を書こうと思っていたところに自分のアドバイスで成果が上がってきたこともあり、有効だった経験をシェアしたいと思い執筆しました。

関口:英語が出来る、出来ないによって格差があると感じますか?

本田氏:例えば、フェイスブックのようなSNSは、日本語だけでやっていても広がらないので勿体ないと思います。英語でやる事によって仕事だけに限らず、楽しみは広がると思います。日本は似たような考え方が多いので海外からの情報を得ることによって、こんなことをやっている人がいる、こんな発想もあるのだと知ることができ、自分の考え方のオプションも広がると思います。仕事もライフスタイルにおいても、今後は英語が出来ないと損をする時代になると感じます。昔は英語が出来ればプラスになってマイナスにはなりませんでしたが、今の時代は出来ないことがどんどんマイナスになってゆくと感じます。

関口:使える英語が身に付くことにより、情報収集の幅が広がったという感覚や実感はありますか?

本田氏:私はハワイに住んでいて、一年の半分以上を海外で過ごしています。必ずしも英語が全てではないですが、海外で仕事をするという可能性が広がったのは、ツールとして英語があったということが凄くプラスになったと思います。また、個人で組織を抱えずに場所も固定せずに仕事をするという今のやり方を考えついたのも、色々な国の人のやり方を見ることができたからです。日本ではあまりない発想ですが、海外では多いので、考え方の参考になっています。ライフスタイルにおいても、スポーツひとつにとっても、世界中のトライアスロンの大会に出場することで、海外との交流になりそこから広がりも見えます。

関口:ペラペラでない英語が海外では主流と聞きますが、いかがでしょうか?

本田氏:ハワイにはピジンイングリッシュと言われているような、文法が正しくなくても通用している場面もあります。また、シリコンバレーでは主要ビジネスをしている人の半数以上が外国人です。英語を母国語としていない人が半分以上いるような街もあります。ビジネスにおいての能力や本人のパーソナリティーはもちろん必要ですが、完璧な英語を使用していない人も多くいると思います。

関口:メンタルを外すことの重要性について教えてください。

本田氏:例えば、英語を勉強したことがある多くの人は英語圏に行くと、文法を間違えてはいけないと意識してしまい喋れなくなってしまうことがあると思います。それに比べ、勉強したことのない外国語の国に行った時は旅行会話集などを見て気軽に喋ってみて、それが通じてしまうことがあると思います。英語になったとたんに心にブロックを感じる方も多いと思いますが、目的はコミュニケーションを取ることなので、試験のように正解に囚われる必要はないと思います。ビジネスにおいては契約書等に弁護士や通訳を入れることが大前提ですが、どこまでを何を目的にするかによって違ってきつつも、大体のコミュニケーションは取れると思います。

関口:英語学習においてアウトプットの必要性について教えてください。

本田氏:語学には努力が必要ですが、正しい努力をすることが必要だと思います。スポーツと同様に練習ばかりしても上手くはならず、試合に出てみて分かること、気づくことがあると思います。インプットは必要ですが、アウトプットせず、インプットだけでは駄目だと思います。実際に使用してみて、どの部分が必要なのか理解することが必要です。

関口:狭い範囲の英語に絞って勉強されたのは何故ですか?

本田氏:私がやってきて感じたことは、英語のグループレッスンや決まった教材では上手く結果が出ず、勉強していてもしっくりきませんでした。みんなに合わせた教材、授業では内容が広すぎて実際の現場には役に立ちにくいものでした。広く勉強するのでレベルも一気には上がらず、勉強したのに実践では通じず勉強した甲斐がないと感じてしまいます。そこで目的を絞ることをしました。例えば、コミュニケーションが目的であれば、その場面で必要最低限の単語や言い回しを覚えることで会話は成り立ちますし、勉強した分の成果を感じることも出来ます。そうすることで、会話の楽しさを感じ、もっと勉強してみようという気になります。

関口:英語を勉強する際のポイントについて教えてください。

本田氏:横に広く勉強するのではなく、縦に深く勉強することが成果もレベルも上げるポイントです。を何のために使うかを明確にしないと英語力は上がらないと思います。漠然としていたら幅広くなってしまい、縦軸が出来ません。目的が明確でないとかなりの努力が必要になるので、どの部分で話せるようにしたいのかを段階的に考えることが効率的です。そして、勉強するためのツール選びは自分にあったものを集中的にやることをお薦めします。出来ればマンツーマンで授業も自分でカスタマイズした英会話(例えば、エンジニアの人であればエンジニアとしてコミュニケーション出来るようなMTGや授業)ができることです。

先生選びも重要です。英語が話せるとみんな先生に見えてしまいますが、それは大きな間違いです。自分が欲しい知識を持っている先生を選ぶことが大切です。また、TOEICを勉強しても話せるようになると思うのは止めた方が良いと思います。TOEICでスコアを上げながら話せるようになると考えるには無理があるので、話せるようになりたいのであればそこは分けて考えた方が良いと思います。

関口:喋ることにフォーカスを置いた場合、お薦めの勉強法は?

本田氏:喋る練習が必要なので、独りで勉強しても無理があります。私の場合は、経営に関してのコミュニケーションを取れるようになりたかったので、経営者で英語を教えてくれるアメリカ人を探して週2回ほど通っていました。授業内容もビジネスウィークの内容をディスカッションして、喋ることを練習しました。

グロービッシュという概念について、どうお考えですか?

本田氏:英会話の第一段階としては凄く良いと思います。私の本にもありますが、ビジネスシーンを含めて基本的な会話に出てくる言葉にはそんなに難しいものはありません。ある程度の単語で会話出来ますし意思も伝えられると思います。勉強し過ぎて難しいことを言わないといけないと感じて、コミュニケーション出来ていないことが多いと思います。超えなければいけないハードルがあるのに、そこを超える前にその上を固めようとしても無理があります。中学レベルの単語や言い回しを覚えておけば十分です。

関口:英語を勉強しているビジネスパーソンにメッセージをお願いします。

本田氏:これまでの英語が出来れば良かったから、これからは英語が出来ないと仕事が出来ない。そんな時代が近い将来訪れると感じます。パソコンと同じで、出来ないと仕事にならないという時代にあと5年くらいで変わっていくと思います。私が大学の講演の際に学生に良く話していることがあります。英語にしろ中国語にしろ、とにかく語学に触れること。旅行であれ、留学であれ、海外に一度でも出ること。極論を言えば、英語を話せなくても良いとは思いますが、日本だけでは考え方の幅も広がらず、色々なことに囚われやすくなります。情報を求めに海外に出た時に、その情報を得る術のツールとして英語は必要になります。

関口:本日は貴重なお話いただきありがとうございました。